ライター新田理恵/NittaRie

映画、人、お仕事について書きます。

中国映画、8割は赤字?

少し前になりますが、中国の中央人民広播電台のサイトに

「中国映画の8割は赤字」という記事が出ていました。

 

今年上半期の興行収入(チケット販売サイトの手数料除く)は

前年同期比3%増の253億5,300万元(約4,200億円)。

外国映画41本に対して中国映画は194本公開されましたが、

興収に占める割合はわずか38.5%だったのこと。

 

最近の中国映画業界は、さすがにちょっと前ほど闇雲にお金はかけなくはなったようですが、それでも、数百万元はかかるわけで。

300万元以下に製作・宣伝コストを抑えない限り(劇場公開映画では非常に厳しい)、興収1,000万元(約1億6,600万円)を最低確保しないとペイできないといいます。

上半期、興収1,000万円を超えた中国映画は51本(1億元超えは15本)。でも、スターのギャラだの、宣伝費だのを考えると、手堅く見積もって公開作の8割以上が赤字だろうという話です。

 

製作費を明らかにしていない作品も多いので、推測混じりの記事ではありますが、

上半期の中国映画興収トップ5《功夫瑜伽》、《西游伏妖篇》、《乘风破浪》、《大闹天竺》、《熊出没4》はまず黒字として、あと『容疑者Xの献身』の中国リメイク版や、

低予算映画で健闘した《冈仁波齐》(日本公開タイトルは『ラサへの歩き方 祈りの2400㎞』)などは黒字なんじゃないかとのこと。

 

いずれにせよ、日本で報じられているほど景気は「イケイケ」ではないようです。

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(写真は記事と関係ないけど、素敵な上海・大光明電影院。
上海国際映画祭の開幕日のもの)